量子コンピューティングの概要

Quantum computing represents a new paradigm in computation that utilizes the fundamental principles of quantum mechanics to perform calculations. If you are reading this then you have undoubtedly heard that the promise of quantum computation lies in the possibility of efficiently performing a handful of tasks such as prime factorization, quantum simulation, search, optimization, and algebraic programs such as machine learning; computations that at size are beyond the capabilities of even the largest of classical computers.

The power of quantum computing rests on two cornerstones of quantum mechanics, namely interference and entanglement that highlight the wave- and particle-like aspects of quantum computation, respectively. Qiskit is an SDK for performing quantum computations that utilize these quantum mechanical principles using the language of quantum circuits. Comprised of quantum gates, instructions, and classical control logic, quantum circuits allow for expressing complex algorithms and applications in a abstract manner that can be executed on a quantum computer. At its core, Qiskit is a quantum circuit construction, optimization, and execution engine. Additional algorithm and application layers leverage quantum circuits, often in concert with classical computing resources, to solve problems in optimization, quantum chemistry, physics, machine learning, and finance. In what follows, we give a very brief overview of quantum computing, and how Qiskit is used at each step. Interested readers are directed to additional in-depth materials for further insights.

干渉

古典的なコンピューターと同様に、量子コンピューターもビット上で動作します。しかし、古典ビットは 0 と 1 の状態しか取りませんが、量子ビットは 0 と 1 の値およびそれらの線形結合を表現することができます。これらの線形結合は 重ね合わせ (あるいは重ね合わせ状態) と呼ばれます。

To see how this resource is utilized in quantum computation we first turn to a classical analog: noise cancellation. Noise cancellation, as done in noise cancelling headphones for example, is performed by employing superposition and the principle of interference to reduce the amplitude of unwanted noise by generating a tone of approximately the same frequency and amplitude, but out of phase by a value of \(\pi\) (or any other odd integer of \(\pi\)).

図 1 およそ \(\pi\) だけ位相のずれた、振幅のほぼ等しい音波による、ノイズ信号の近似的な打ち消し合い

上記のように、位相差が \(\pi\) の奇数倍に近い場合、二つの波の重ね合わせは干渉をもたらし、元の波と比べて振幅が大幅に減少した出力が得られます。その結果、ノイズの影響を受けない信号が得られます。この処理はデジタル回路で行われますが、振幅と思想は連続変数であるため、完全に一致することはなく、不完全な補正となってしまいます。

量子コンピューター上での一般的な計算は、ノイズキャンセリングとよく似ています。まず、すべての計算状態の重ね合わせを準備します。これは、所定のアルゴリズムにしたがって、重ね合わせの成分を選択的に干渉させる 量子回路 への入力として使用されます。入力状態の相対的な振幅と位相を打ち消した後に残るのは、量子回路によって実行される計算の解となっています。

図 2 干渉発生過程としての量子計算

エンタングルメント

量子計算が利用することのできる量子力学の第二原理は、 エンタングルメント という現象です。エンタングルメントとは、二つ以上の量子ビット (あるいは一般に複数粒子) の状態のことで、量子ビットの結合した状態は、単独の量子ビットよりも多くの情報を含んでいます。複数量子ビットの量子状態の圧倒的多数はエンタングルした状態であり、貴重なリソースとなっています。例えば、量子ビット間のエンタングル状態は量子テレポーテーションに用いることができます。量子テレポーテーションでは、二つの量子ビット間に共有されたエンタングル状態を操作することで、物理世界における相対的な近さによらず、一方の量子ビットからもう一方の量子ビットへ情報を転送することができます。量子系の自然な状態としてのエンタングル状態は、多くの場合に解がエンタングルした複数量子ビット状態となる量子化学や量子シミュレーションのような分野でも重要です。また例えば、複数量子ビットの非常にエンタングルした量子状態を利用することで、正真正銘の乱数を生成することもできます。これを行うための Qiskit パッケージ さえ用意されています。

量子回路

量子力学的なリソースを利用するアルゴリズムやアプリケーションは、 量子回路 の枠組みで簡単かつ効率的に記述することができます。量子回路とは、量子ビットに保持されているような量子データに対するコヒーレントな量子演算と、リアルタイムの古典計算を同時に行う計算ルーチンのことです。回路内の各水平線は量子ビットを表し、線の左端が初期の量子データ、右端が量子回路の計算によって生成される最終的な量子データとなっています。量子ビットに対する演算は、これらの線上に配置することができ、箱として表されます。

図 3 量子状態テレポーテーション回路再訪

量子回路は、量子コンピューターが古典的な情報を取り込んで、古典的な解を出力することを可能にし、 干渉 や エンタングルメント といった量子力学の原理を利用して計算を実行します。

典型的な量子アルゴリズムのワークフローは、以下のように構成されています。

• 解決したい問題

• 量子回路の記述を生成する古典的なアルゴリズム

• 量子ハードウェア上で実行される量子回路

• それが生成する問題に対しての古典的な出力解

Quantum gates form the primitive operations on quantum data. Quantum gates represent information preserving, reversible transformations on the quantum data stored in qubits. These 「unitary」 transformations represent the quantum mechanical core of a quantum circuit. Some gates such as \(X\) (also written as \(\oplus\)) and \(CX\) have classical analogs such as bit-flip and \(XOR\) operations, respectively, while others do not. The Hadamand (\(H\)) gate, along with the parameterized rotates \(rX(\theta)\) and \(rY(\theta)\), generate superposition states, while gates such as \(Z\), \(rZ(\theta)\), \(S\), and \(T\) impart phases that can be used for interference. Two-qubit gates like the \(CX\) gate are used to generate entanglement between pairs of qubits, or to 「kick」 the phase from one qubit ot another. In contrast to gates, operations like 「measurement」, represented by the meter symbol in a box with a line connecting to a 「target」 wire, extract partial information about a qubit’s state, often losing the phase, to be able to represent it as a classical bit and write that classical bit onto the target wire (often a fully classical wire in some readout device). This is the typical way to take information from the quantum data into a classical device. Note that with only \(H\), \(rZ(\theta)\), \(CX\), and measurement gates, i.e. a universal gate set, we can construct any quantum circuit, including those efficiently computing the dynamics of any physical system in nature.

ワークロードの中には、量子回路と古典計算を交互に配置した、拡張シーケンスを含むものがあり、例えば変分量子アルゴリズムでは最適化ループ内で量子回路を実行します。このようなワークロードでは、量子回路をパラメータ化し、回路実行と古典計算の間の遷移を効率的に行うことで、システムの性能を大幅に向上させることができます。そこで、計算時間を高速化するために開発されたハードウェアを用いて、量子回路を繰り返し利用するアルゴリズムを用いた計算を near-time computation と定義します。 near-time computation では、古典計算は量子計算のコヒーレンスよりも長い時間スケールで行われます。これは、古典的な計算が量子デバイスのデコヒーレンス時間内に行われる real-time computation とは対照的です。

最小限の労力で、複雑な量子回路を構築することが、 Qiskit の核心です。たった数行のコードで、上記のような複雑な回路を構築することができるでしょうか。

qr = QuantumRegister(3, 'q')
cr = ClassicalRegister(2, 'zx_meas')
qc = QuantumCircuit(qr,cr)
qc.reset(range(3))
qc.barrier()
qc.h(1)
qc.cx([1,0],[2,1])
qc.h(0)
qc.barrier()
qc.measure([0,1], [0,1])
qc.barrier()
qc.z(2).c_if(cr, 1)
qc.x(2).c_if(cr, 2)

豊富な操作の機能セットをサポートしており、 量子コンピューター や古典的なシミュレーターに渡すことができます。

量子コンピューター

図 4 IBM Quantum System Oneの内側

Quantum computers which are programmed using quantum circuits can be constructed out of any quantum technology that allows for defining qubit elements, and can implement single- and multi-qubit gate operations with high-fidelity. At present, architectures based on superconducting circuits, trapped-ions, semiconducting quantum-dots, photons, and neutral atoms, are actively being developed, and many are accessible to users over the internet. Qiskit is agnostic with respect to the underlying architecture of a given quantum system, and can compile a quantum circuit to match the entangling gate topology of a quantum device, map the circuit instructions into the native gate set of the device, and optimize the resulting quantum circuit for enhanced fidelity.

上述のノイズキャンセリングの例と同様に、量子ビットの振幅と位相は連続的な自由度であるため、演算が正確に行われることはありません。これらのゲートエラーは、量子コンピューターの置かれた環境からのノイズとともに、コンパイル以外の段階において計算を台無しにする可能性があります。そのため、ノイズの影響を受けやすい現在の量子システムで高忠実度の出力を得るためには、追加の緩和手順が必要になります。 Qiskit ではそのコンパイル戦略において、様々なデバイス較正指標 (下図参照) を考慮することができ、量子回路を実行するために最適な量子ビットのセットを選択することができます。さらに Qiskit には、量子回路の出力の忠実な表現を得るための、ノイズ緩和テクニックが集められています。

図 5 IBM Quantum ibmq_manhattan システムのトポロジーとエラー率

次なる学び

量子計算が提供するものを読者の皆さんに体験してもらい、さらに多くのことを知りたいと思ってもらえたことを期待しています。もしそのようであれば、興味のあるかもしれない資料がいくつか用意されています。

• Getting started with Qiskit - Qiskit に飛び込んでみましょう。

• Field guide to quantum computing : 量子計算の創始者たちが、対話型の回路コンポーザーを利用して書いた、物理学に基づく易しい入門

• Qiskit textbook : Qiskit に基づいた大学における量子アルゴリズム・計算コースの補助教材